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Delphi

FMX Linux ファーストステップ

FMX Linux が RAD Studio にバンドルされます

Delphi / RAD Studio に FMX Linux のバンドルを発表 でご案内のとおり、Embarcadero は、Delphi / RAD Studio 10.3.1 の Enterprise および Architect エディションのお客様が FMX Linux を利用可能となったことを発表しました。これは、FMX LinuxライブラリをFireMonkeyで使用してLinuxクライアントアプリケーションを構築できるということです。コードは FireMonkey がサポートする他のプラットフォーム(Windows, macOS, iOS, Android)と完全に互換性があります。

これについては上記のブロク記事をお読み頂くか、次のリンクにアクセスして詳細をご確認いただけます。

DocWiki ドキュメント: http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Rio/en/FireMonkey_for_Linux
FMX Linux ウェブサイト: https://www.fmxlinux.com/
FMX Linux によるアプリケーション動作の紹介: https://youtu.be/3mw20kUCXho

この記事では FMX Linux ファーストステップとして、環境設定からLinux GUI アプリケーションのビルドと実行までの作業をご説明します。

FMX Linux でアプリをビルドするために必要な準備を行う

つぎの3つのステップを順番に実行して準備します。

  1. Delphi Linux 64-bit をインストールする
  2. FMX Linux をインストールする
  3. Linux 向けのSDKを Delphi / RAD Studio に追加する

Delphi Linux 64-bit をインストールする

FMX Linux をインストールする前に Delphi Linux 64-bit がインストール済みであることを確認します。[ツール(T)] ⇒ [オプション…] よりオプションメニューを表示し、[言語]⇒[Delphiオプション]⇒[ライブラリ]に Linux 64ビット が含まれることを確認してください。

Linux 64ビットがここに表示されていない場合は追加インストールが必要です。ESDインストーラの場合は [ツール(T)] ⇒ [オプションプラットフォームの管理(M)…] から、ISOインストーラの場合はインストーラを実行して追加します。

FMX Linux をインストールする

GetIt パッケージマネージャーより FMX Linux をインストールします。

Linux 向けのSDKを Delphi / RAD Studio に追加する

Linux向けのSDKは次のようにセットアップします

  • Linux 環境に SDK などのパッケージをインストール
  • Linux 環境に PAServer をインストールして実行
  • 接続プロファイルの作成
  • インストールされた SDK を RAD Studio に追加

Linux 環境に SDK などのパッケージをインストール

ここではUbuntu向けのパッケージインストール方法を紹介します。まず、Delphi Linux 向けの共通項目として、次の操作を行います。

http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Rio/ja/Linux_アプリケーション開発#Linux SDK のインストール

さらに FMX Linux 向けのパッケージを追加インストールします。

http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Rio/en/FireMonkey_for_Linux

Linux 環境に PAServer をインストールして実行

PAServer の Linux 向けアーカイブはDelphi / RAD Studio のインストールフォルダからコピーするか、またはダウンロードURLから Linux 上に直接ダウンロードできます。
詳細はこちらのページをご覧ください。
http://docwiki.embarcadero.com/RADStudio/Rio/ja/Linuxでのプラットフォームアシスタントのインストール
ダウンロードしたアーカイブは tar.gz 形式のファイルなので任意のディレクトリに tar で展開して実行できます。

接続プロファイルの作成

Delphi / RAD Studio の IDE から Linux 側の PAServer に接続するために、接続プロファイルを作成します。IDE の [ツール] ⇒ [オプション] を実行してオプションメニューを表示し、[配置] ⇒ [接続プロファイルマネージャー] を選択します。

接続プロファイルは、プロファイル名とIPアドレス(またはホスト名)を設定します。


最後に接続テストを行い、問題なく接続できることを確認します。

Linux環境にインストールされた SDK を RAD Studio に追加

[配置] ⇒ [SDKマネージャー] を選択します。

[追加(A)…] を実行し、Linux 側の情報が PAServer 経由で正しく取得できていることを確認してSDKの追加を開始します。

Delphi / RAD Studio への Liunx SDKの追加は少し時間がかかる場合があります。進捗は画面上に表示されます。

次の表示が出た場合は、ここでは「すべてはい(A)」を選択して先に進みます。

これで Linux 向けビルド環境が準備できました。

FireMonkeyプロジェクトをLinux向けにビルド、デプロイ、実行する

FireMonkeyプロジェクトを Windows でビルドする

「マルチデバイスアプリケーション – Delphi」のプロジェクトを新規に作成し、一旦は Windows アプリケーションとして動作することを確認します。まず画面を作成していきます。

さらにコードを追加します。

できあがったら、Windows で動作確認してみます。

FireMonkeyプロジェクトのビルドターゲットにLinuxを追加する

プロジェクトマネージャーでプロジェクトを選択して右クリックメニューを表示し、このメニューの先頭に表示されている “Add Linux Platform” を実行します。

これでプロジェクトのビルドターゲットに Linux 64ビットが追加されました。この方法はIDEにLinux FireMonkeyサポートを完全に統合するまでの間だけ必要となる、一時的な作業手順です。

Linux 向けにビルドして動かす

ビルドターゲットが Linux 64ビットに設定されていることを確認の上、Windows 向けの実行と同じように実行します。ビルドされたバイナリは PAServer 経由で Linux 環境に転送され、そのまま起動します。

また、Linux側では、ファイルマネージャを操作するか、ターミナルウィンドウからのコマンド入力により、PAServerのスクラッチディレクトリに配置されたアプリケーションにアクセスできます。

ビルドされたアプリケーションはここでコマンドラインなどから実行することもできます。

FMX Linux のファーストステップは以上です。ターゲット機材の詳細や前提条件については、上記のリンクにあるdocwikiの情報をお読みください。

Delphi + FireMonkey がサポートする他のすべてのプラットフォームと同様の方法でLinux向けデスクトップアプリのビルドを可能にする、この新しいすばらしい追加機能をお楽しみください。


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